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リモートワーク中の男性
ワークライフバランスの実践

在宅勤務におけるオンとオフを切り替えるための境界線の引き方

在宅勤務が普及したことで、通勤時間がなくなり自由な時間が増えた一方で、仕事とプライベートの境目が曖昧になったと感じる方が増えています。家というリラックスする場所で集中力を維持し、業務が終わればしっかりと休息モードに切り替えることは、心身の健康を保つために非常に重要です。この記事では、在宅勤務中にメリハリをつけるための具体的な境界線の引き方について、心理的および物理的な側面から考えていきましょう。

仕事モードへ切り替えるための心理的なスイッチを作る

自宅という環境は本来、自分を解放してくつろぐための場所です。そこを無理やり仕事場に変えるには、自分自身の気持ちを強制的に切り替えるための儀式が必要になります。まず手軽に始められるのが、身だしなみを整えることです。パジャマや部屋着のまま業務を開始するのではなく、外出しても差し支えない程度の服装に着替えるだけで、脳は自然と仕事モードに切り替わります。これはユニフォームを着ることで気が引き締まるスポーツ選手と同じ原理です。

また、仕事の開始前に特定のルーティンを取り入れることも効果的です。例えば、決まった銘柄のコーヒーを淹れる、特定のプレイリストの音楽を流す、あるいは数分間のストレッチを行うといった行動を毎日繰り返します。こうした小さな習慣の積み重ねが、日常の中に仕事という非日常を組み込むための境界線として機能するようになります。脳に「これから仕事が始まるのだ」と条件付けを行うことで、スムーズに集中状態へ入ることができるようになります。

物理的な空間の境界線を明確にして生活環境を守る

次に大切なのは、視覚的な情報を整理することです。理想を言えば仕事専用の個室を用意することですが、限られた住居スペースではリビングの一部を仕事場にしている場合も多いでしょう。その場合は、デスクの上だけを仕事専用の領域と定め、業務に関連するもの以外を一切置かないように工夫します。生活感のあるものが視界に入ると、どうしても意識がプライベートへと引き戻されてしまうため、パーテーションや棚をうまく使って視界を遮ることも一つの手です。

さらに重要なのが、仕事が終わった瞬間にパソコンや資料を視界から消すことです。専用のボックスに一式を収納したり、デスク全体に布をかけて隠したりするだけでも、脳に仕事が終了したことを認識させる強力な合図になります。生活空間の中に仕事の痕跡を残しすぎない工夫をすることで、夕食時やリラックスタイムにまで業務のことが頭をよぎるのを防ぐことができます。物理的な壁を作ることが難しい環境だからこそ、こうした「隠す」という行為が心の境界線を守る助けとなります。

時間と情報の境界線を設定してプライベートを確保する

最後に、時間の使い方についても自分の中で厳格なルールを設けましょう。在宅勤務では通勤の概念がないため、ついつい夜遅くまで作業を続けてしまいがちです。しかし、終業時刻を決めたらその後の通知は一切見ないという決断が必要です。パソコンを閉じた後はスマートフォンの通知設定をオフにするなど、デジタルデバイスから物理的に距離を置く時間を作ることをおすすめします。この「つながらない時間」こそが、翌日のパフォーマンスを維持するための貴重な回復時間となります。

また、日中の休憩時間をあらかじめスケジュールに組み込み、その間はデスクを完全に離れることも有効です。近所を数分間散歩したり、ベランダで外の空気を吸ったり、簡単な家事を済ませたりすることで、座りっぱなしの疲れをリセットできます。時間的な区切りを意識的に作ることは、だらだらと作業を続けることを防ぎ、結果として仕事の質そのものを高めることにもつながります。自分自身の上司になったつもりで、適切な休息時間を管理することが、長く在宅勤務を続けるための秘訣と言えるでしょう。